Re:ステージ!コンセプトミニアルバム『Chain of Dream』発売記念対談

2015年月刊コンプティークでの小説連載開始を皮切りに、CD楽曲リリース、ライブ開催、スマホゲーム「Re:ステージ! プリズムステップ」配信、TVアニメ「Re:ステージ! ドリームデイズ♪」放送とマルチな展開を行なうプロジェクト『Re:ステージ!』から、約1年ぶりとなる待望の新曲がミニアルバムで遂にリリースされる。

そこで今回はコンセプトミニアルバム『Chain of Dream』発売を記念して、プロデューサーの椿本康雄氏、KiRaRe楽曲の作詞を務める伊藤翼氏のスペシャル対談を実施。「Re:ステージ!」立ち上げ時より制作に携わっているお二人に、Re:ステージ!誕生秘話から、今回のミニアルバムのコンセプトや音質に関するこだわりなど貴重な話を伺った。

インタビュー:塚越 淳一

『Chain of Dream -リステップ Edition-』
VARIOUS ARTISTS

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「Re:ステージ!」誕生秘話

伊藤翼 氏、椿本康雄 氏

――本日はよろしくお願いします。まず、「Re:ステ―ジ!」とはどのようなコンテンツなのかということからお話ください。

椿本康雄 氏(以下、椿本 ※敬称略)「Re:ステ―ジ!」は元々コンプティ―クの連載から始まり、そこから音楽を中心に小説、ゲ―ム、その後アニメとクロスメディアで展開をしているコンテンツで、準備期間を含めると、もう6、7年近くやっています。

 

――音楽としては最初からコンポーザーを決めていったのですか?

椿本 翼はキャストのオーディションから関わっていただいていて、特にKiRaReはそうですね。他のグループも割と固定の方が多いですが、一番最初に作曲をお願いした方に、そのままずっとお願いをしているような感じですね。

 

――このコンテンツに関わっていく気持ちはどうでしたか?

伊藤翼 氏(以下、伊藤  ※敬称略)  当時アイドル系のアニメも全盛期だったので、その流れに自分も入っていくんだなという実感がありました。オーディションから自分でその音楽を一から立ち上げていくというのはものすごくテンション上がりましたし、今でもずっとワクワクしています。

 

――オーディションはどうでしたか?

椿本 いやー大変でした。まだ事務所に入所して間もないくらいの方がいるくらい若手の声優さんが多かったですね。今の声優さんは、みんな歌も上手なので、音程も割と安定する人多い。だからこそ余計に難しかったですね。

伊藤 成長することも見越して考えなきゃというところもありますし。かなり悩みましたね。

椿本 最終的には個性的で実力のあるメンバーが揃ったと思っています。

 

「Re:ステージ!」音楽制作のこだわり

――話は変わりますが「Re:ステージ!」の音楽を制作していく上で、大事にしてきたことやサウンドのこだわりについて聞かせてください。

椿本 プロデュース側のこだわりとしては、作詞作曲家さんをグループごとにだいたい固定化してしまっています。個々のグループの色を分けたかったというのもありますし、次の楽曲でもそれぞれのグループの色を失わずにお願いできるので。なので、作詞作曲家だけじゃなく、ライブの振付師さんも全グループ違う方にお願いしているんですよね。

伊藤 実際の世界観もそういう感じですよね。

椿本 そうですね。一つ一つのグループをプロデュースしているという意識でやっているということですね。

 

――KiRaReはどういったこだわりで作っていましたか?

伊藤 作家側が一からしっかりコントロールさせてもらえるコンテンツは今までそんななかったんじゃないかなと思っていて、そのあたりは自分の中でも勝手に意識してましたね。組曲的な感じで楽曲同士でモチーフのつながりを持たせるということに対しては意識的にやってたなというイメージがあります。

椿本 アニメのオープニングでも、今までの楽曲のフレーズをちりばめたりとか、そういうことができたのはずっと翼にお願いをしてきたからというのもありますね。

伊藤 ずっと書いてきたというのもあるし、自分の曲をずっと聞いているということもあって、意識してモチーフを入れようとしなくても、自然に入ってくるという部分も一方ではあったので、それはすごく良いことだったと思いますね。

椿本 プロデューサー側としてはめちゃくちゃ楽です。こんな感じと伝えればすぐに組んでくれるので。

伊藤 作曲家はその音楽だけの視点に狭まり過ぎることもあるので、キャストやライブのこと、「Re:ステージ!」の今後の展開であるとかそういった部分のベクトルというのはしっかり椿本さんに示していただいているという感じだったと思います。

『KiRaRe1stアルバム「キラリズム」』
KiRaRe

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声優がキャラクターで歌うことの魅力

――声優さんが歌うということに関してはどうでしょうか?

伊藤 シームレスな感じというか、だんだんキャラクターと、本人の素の部分の、両方の良い部分が合わさっていくと思っていて、ものすごくキャラソンっていう感じの歌い方でもないし、本人のアーティストとしての歌い方でもないし、ハイブリッドな感じの歌い方かなと自分では感じているんですけど。椿本さんはそういう意識ってありましたか?

椿本 ありますね。基本的にパッと耳に入った時にすぐ「これはアニソンだな」という風に思われるのが好きじゃなくて、道端で聞いた時に、まずは「これいい曲だな。なんの曲だろう」と思われたいというか。自分がプロデュースして楽曲を作るときは常々思っていますね。

伊藤 枠から見てほしくないということですよね。実際はもっと複雑な形をしているけど、一つ枠がついただけでキュッてなっちゃうみたいな。先入観を持たずに、そういった枠は取っ払ってあまりそこは深く意識しすぎないで、一緒にキャストさんと相談しながら作っていくようにしています。

椿本 キャラクターで歌っている分には、声優さんが歌っているのはどうしても分かる部分ではあるのですが…。(笑)

伊藤 あまりキャラクターにこだわりすぎると歌のレンジが少し狭まってしまうこともあります。だから歌のレンジを最大限にしつつ、キャラクターのニュアンスを引き出すというところで、キャストさんとかなり試行錯誤しました。

 

――結構、キャラクターに対するこだわりがキャストさんも強いですよね。

椿本 面白いもので、キャストさんも長く演じているとだんだんとキャラに同化していくような部分があるので、年を追うごとに本人も我々もやりやすくなっていますね。

 

――印象的だったレコーディングはありますか?

椿本 よく色々なところで思い出話として話しているのは、一番最初の収録の時の牧野天音さん。初めてブースに入ったときに、リズムがなかなか取れなくて自分が後ろで踊りながら収録したりしました(一同笑)

伊藤 みんなで、リズムはこうやってとるんだよって。お子さんが音楽をやり始めのときにするリトミックのような概念も話したりとか(笑)重力を感じてリズムを感じるんだよとか。

 

――本当にそういうところから始まったんですね

椿本 そうですね。初めて歌撮り、MV、ゲーム撮りすら初めてといった子も結構いましたので。僕自身も初めての事が多かったので一緒に模索しながらやってきましたね。

 

「Re:ステージ!」サウンドをハイレゾで

 

――moraさんはハイレゾ音源を扱っていて、音にこだわりがあるサイトですが、どのぐらい音にこだわりを持っているかお聞きしたいです。

伊藤 長くなっても良いですか?(一同笑)特にスタジオレコーディングに重きを置いていて、KiRaReのほぼ全ての楽曲で楽器を生録りしていますね。

普通作家さんが自分でミュージシャン呼んだり、スタジオ抑えたり、エンジニアさんの選定とかはしないんですけど、僕はそこのトータルコーディネートっていうのを全部やっていて最初から最後までのサウンドの面倒を見るっていう部分で参加しています。そこのトータルコーディネートができているからこそ自分の納得のいくサウンドが作れるんじゃないかと思っています。

去年スタジオを自分で作りまして、KiRaReの歌録りはそこで全部やるようになりました。なので、よりトータル的にサウンドが自分のやりたい方向に持っていけるというところで、音質面でもかなりこだわってやってきました。

椿本 マイクもいっぱい変えたりしてね。

伊藤 そうですね。サウンド的なところで言うとアナログからデジタルに変換する際にも精巧なADDAを入れたりとか、デジタル機材を同期させるクロックであるとか、そういう部分もルビジウムとかを使ったりキャプチャーの部分も力を入れてやっています。ハイレゾになったら、よりその部分を感じていただけるんじゃないかなと思います。

 

――ハイレゾで聞いたときは僕も感動しました。

伊藤 やっぱり音質とかってめちゃくちゃ小さなプラスを積み重ねていくっていう行為なので、一気にここを変えたからって良くなるって訳じゃないんですよね。良いマイクで録って、良いケーブルで電気を送って、尚且つ良い部屋で撮ってそこで上手い人が歌ってくださるというような。あと、作曲家がトチらないっていうね。(笑)

椿本 あとはプロデューサーがうるさいことを言わないとかね。(一同笑)

伊藤 やっぱりそのあたりは丁寧にやらないと、音質っていうのを確保できない部分があって、どこかで台無しになってしまうということも全然あるので、そこはずっと目を見張っている部分ではあるんですが。

 

――伊藤さんはバンドだけじゃなくて、弦楽器も管楽器もやられていますよね?やっぱり弦楽器や管楽器は打ち込みとは全然違いますか?

伊藤 そうですね、自分はもともとクラシック出身なので、弦と管は一番書きたい部分ではありますね。やっぱりそこのニュアンスが、まだ打ち込みやソフト音源ではちょっとっていうところがありまして、そういうところに気が付く人が増えてくれると、こちらもやっている甲斐がありますね。

椿本 だからこそ、良い音質で聞いて欲しいですね。やっぱり音質が良いと、我々がスタジオで聴いている音に一番近くなると思うし、我々が届けたい形で届くと思うので。

伊藤 自分が聞いている最終形態と同じような形で聴けると言う部分では、本当にハイレゾで聞いてもらえたら嬉しいですね。

 

アルバム『Chain of Dream』に込める思い 

――では新しいミニアルバム「Chain of Dream」の話に入っていこうと思います。4月のワンマン公演が延期になってしまったというところも含め、このタイトルに込めた思いを聞かせてください。

椿本 元々「Chain of Dream」はワンマンライブのサブタイトルとしてつけていたものなのですが、ものすごく悩んで、結局ストレートなタイトルになりましたね。各グループを「繋いでいく」という意味で、元々の公演も5つのグループが1公演から5公演までつないでいくといったイメージにしていました。

 

――本来、このミニアルバムはどのように発表する予定だったのですか?

椿本 本当は4月の公演でババーンと初披露して行く予定だったんです。事前告知もなしで突然ユニットが新曲を歌うというのを想定していました。本来であれば、夏にこのアルバムはリリースされる予定だったのですが・・・御存知の通りすべて延期になってしまったので、発表するべきだった楽曲をどう発表しようかという中で12月のタイミングになりましたね。

 

――もう楽曲は完成されていたんですか?

椿本 もう結構出来ていました。KiRaRe以外のグループはほぼ完成していて、KiRaReの楽曲を翼にお願いしようっていうタイミングだったので、KiRaReだけ制作が止まってしまったんです。

 

――KiRaReの「会いたいよ」という歌詞も今聞くとエモいですよね。

椿本 やっぱり、今の状況を一番反映した楽曲にはなりましたね。

伊藤 元々は「ファンと繋がる」というイメージでという依頼をもらってはいたんですが、意味合いが少し変わってきまして、そこで今社会的な、そういった大きいテーマを捉えられる作詞家さんって誰だろうってなった時に田淵さんにお願いすることになりました。

椿本 作詞だけで入るの、珍しいよね。

伊藤 そうですね。最近はグループプロディースもやられているので、ユニットの流れを汲んで作るということに、ものすごく長けている方ということもあり、ぜひお願いしたいと椿本さんに相談したという形ですね。

 

――「ファンと繋がる」というところ以外に、今の情勢も反映してということだったんですね。

伊藤 そうですね。やっぱり、繋がりたいけど、繋がりにくくなったということに関して足を踏み入れた方が良いのかなって言うのと、元々エモい曲にしようという話があって。

椿本 KiRaReは元気な曲とか、夢を追いかけている割とストレートな曲が多いのですが、今回はその中でもちょっとエモい感じにしていこうと。

伊藤 最初はものすごく近い、「結束力」のような形で繋がるのかなと僕は思っていたんですが、繋がりにくくなった昨今で、その距離がちょっと離れてしまったのかなと。だけど、離れていても繋がることはできるし、それはみんなの意識次第という部分でもあるし、そういったところを田淵さんともかなり話しながら一緒に作ってきたという感じですね。

 

KiRaRe新曲『We Remember』のサウンドがいつもと違う!?

――作曲に関してはどうですか?今回は打ち込みっぽさもありつつ・・・

伊藤 またまた音質の話になってしまうんですけど、サウンドの面でいうとお察しの通りというか、最近僕の曲ってほとんど弦が入っているくらいハマっていまして、歌と弦をどうなじませて、なおかつ美しく見せるかという事を色々と研究しています。

その時に、バンドで弦が入る編成だと、ギターは歪みで結構ローファイな音になって、ドラムもその音に合わせるために少し歪ませたり、コンプでたたいたりして、どんどんローファイになっていき、パンチのあるサウンドになる。さらにその上に弦が乗るとなると、弦だけはパンチを出せないと言う部分があって、、、どうしても弦が奥まってしまうんですよ。

それじゃあ、ギターの歪みを抑えれば良いんじゃないということで、だんだんギターの歪みを抑えてきたのがトロワアンジュの楽曲だったりするんですけど、KiRaReはそれでもなーみたいな感じになってきて、最終的にギターもドラマも生じゃないほうが良いんじゃないかなということで、今回弦以外生じゃないんですよ。

――やっぱり、そうなんですね。今回は打ち込みだなと思いました。

伊藤 ドラムもシンセもすごくレンジが広い音が最近は多くて、全体的に音質が良いんですよ。その音質が良い、レンジの広いものと、弦というのは意外と親和性が高くて、そっちの方向で行ったら割とソリッドに馴染むんじゃないかと思い、今回そういうサウンドにしたというのもあります。

もちろん楽曲としてエモさを求められたときに、最近っぽさであったりとか、懐かしさとかであったりとかそういう部分でシンセは表現できていると思いますが、音質面で自分の中のやってみたいなというのがあって、ちょっと実験してみたという感じですね。

椿本 翼はKiRaReの曲ですぐ実験するんですよ。(笑)新しいことやってみるっていうのは今まで結構ありましたね。

伊藤 あんまり聞いたことないサウンドを実験したいというのはありまして、そのサウンドデザインという部分はいつもかなり考えています。ただKiRaReらしさっていうのはなくてはならないし、新しい要素を入れても問題は無いだろうかという不安もありましたし、そこはチャレンジでしたね。

椿本 視聴動画を上げた時のユーザーさんの反応が面白かったですね。KiRaReらしいっていう方と、KiRaReらしくないと、二分していましたね。聞く人によっては、いつもと違うなと感じる面も顕著に表れていました。とはいえ通すべき柱は通しているので、そこを感じている人は、KiRaReらしいなと感じてもらっているんだろうなって思いますね。

 

――歌詞とかメロディーを聞くとKiRaReらしいけど、サウンドだけ聞くとちょっと変わったなと感じる人もいるかもしれないですね。

 

ハイレゾで聴いて欲しいポイントはずばり・・・

――ハイレゾになったときに聞いてほしいポイントはありますか?

伊藤 まずは、当たり前ですがKiRaReの歌声を聞いてください。彼女たちの歌声もすごく良く録れていて、しっかりと耳に刺さってくる感じの音量バランスになっていると思います。

あとはやっぱり弦ですかね。弦アレンジは今回結構こだわって、ものすごく詰めたというか、すごく複雑に頑張りました。色々と組み合わせて、組み合わせて全部のパートが美味しいよというまでには織り込んだので、そのあたりは聴きどころですね。

それと先ほども話したように、デジタルサウンドの融合という部分で、どうハイブリッドに仕上がったかというのは是非聞いていただきたいなと思います。

 

――本人たちの歌声を聞いてくださいというお話について、このような情勢になってから収録をしたのはKiRaReだけだったかと思うのですが、何か本人たちの変化って感じましたか?

伊藤 今回は結構感じたかもしれないですね。今まで普通にやっていたことができなくなって、そのストレスや溜まっていたものがあったのか、みんな歌唱に対してのこだわりや意欲がいつも以上に強くなっていて、もっとあぁしたい、こうしたいというのが、いつも以上にありましたね。

椿本 やっぱり歌詞の文脈もみんな理解した上でなんでしょうね。田淵さんの歌詞に共感している部分が本人たちもすごく多かったと思います。

伊藤 すごくそこに真剣に向き合ってくれたなっていうのは今回すごく感じました。

今回の『We Remember』というタイトルなんですけども、しばらく会ってなかった人って色々とうろ覚えになって顔も少しぼやけてくるし、曲だったらメロディが思い出せないとかそういう風になってくると思うので、それを思い出してもらいたいっていうのはこの期間が開いたことによって強くなったと思っています。

その話は田淵さんにもしまして、ファンだけじゃなくて、キャスト含め関わっている人全員が、しばらく動けなかったことによって輪郭がぼやけてしまったものがある。それをくっきり戻したい。そういった意味合いも含まれた曲になったかなと思うので、すごく良いものができたんじゃないですかね。

 

――そうですね。サウンドだけでなくボーカルから感じるエモさもすごいですね。この楽曲にかける思いもみなさん強いのかなと思います。

椿本 もちろんそこは結局彼女たちが主役なので。

伊藤 MIXの時点でいつもよりボーカルが大きめで下げようかなって思ったんですよね。でも、下げてはいけないような気迫を彼女たちの声から感じて、下げなかったことを覚えています。

 

アルバムコンセプト「つながる」に関して

――KiRaRe以外のグループにもいろいろな「繋がる」のコンセプトがあるかと思いますが、解説してもらっても良いですか?

椿本 ステラマリス『Bridge to Dream』は「仲間と繋がる」ですね。最強グループとしてアニメ作品でも描かれているんですけど、その最強グループの3人がずっと一緒にやってきたからこそ、今こうして頂点にいるんだよっていうところを表現をしたかったというところですね。

 

――絶対王者感、ありますよね!

椿本 やっている方はプレッシャーを感じているみたいですけどね。アイドルにおける最強って何ですか?っていつも聞かれますし、僕自身も自分に問いかけてます。(笑)岬珊瑚役の田中あいみさんもステラマリスの収録のときはいつも気合を入れてきていますね。

 

――オルタンシアは『Re:Rays』というタイトルですが、新たなスタートという意味でしょうか?

椿本 そうですね。テーマは「過去と未来を繋げる」ですね。キャストの変更だったり色々ありつつも、ここからもう一度スタートをしていこうという意味であったり、過去があって今があるというところを伝えていければと。

今回からは夫婦共演になりましたね。作曲家のヒゲドライバーさんと小澤亜李さん。噂によると小澤さんがまず家庭内で監修をするみたいですよ。(笑)小澤さんも、もう長くオルタンシアと向き合って演じてくださってるので、オルタンシアを深く理解してくれていると思っています。

 

――トロワアンジュ『Tomorrow Melodies』はどうですか?

椿本 トロワアンジュは、「光と闇」をつなげてます。

伊藤 中二感がすごい。(笑)

椿本 (笑)。トロワアンジュで「繋ぐ」を考えたときに、グループの中では一番難しいというか、どうトロワアンジュのイメージにはめていくかはすごく難しかったですね。トロワアンジュは世界観がハッキリしていて、逸脱するにも方向性を間違えると一気にトロワアンジュらしさがなくなってしまうので。いつもテーマを決める時は、その絶妙な線引きを意識してます。そんな中で「光と闇」というのは割とトロワアンジュのイメージのど真ん中ストレート、という感じだとは思ってます。(笑)

 

――そしてテトラルキア『Pins&Needles』は・・・?

椿本 そうですね、テトラルキアは「繋がってない」ですね。繋がれた日常から出ていくぜー!という感じです。正直我々の会議でも何と繋げば良いのか決まらなかったんですよ。基本的には協調性のない、個が強いグループなので、みんな何かと繋がっているけど、このグループは繋がっていない、それも含めてテトラルキアらしくて良いねということで、最終的に「繋がらない」ということになりました。

 

――普通に考えたら無理やり何かと繋がらせたくなっちゃうと思いますけど、逆に現在の情勢を切り取っているような、そんな曲になっているなと感じました。

伊藤 家に繋がれてるから、早く外に出たい!といったフラストレーションをなんかこうカラッと言い表してくれていますよね。

 

来年4月に行われるワンマンライブについて

――2公演でユニットで分かれて2日間でやるということですが、もう詳細は決まっていますか?

椿本 いったん作っていたセットリストも破棄して、もう一度頭から作り直そうとは思っていて、「Chain of Dream」といったタイトルがちゃんと反映できるようなもの、そして演出+グループ毎の色をちゃんと出せるようなライブにはしたいなと思っていますね。

 

最後にmoraのユーザーに向けて一言お願いします

伊藤 音質に関しても常にこだわり続けてきましたし、1年KiRaReの楽曲を書けなかった分の思いをすべてぶつけた楽曲になっています。今までの集大成になっていますので、そこを聞きつくしていただだければと思います。

椿本 KiRaReだけじゃなく、他のグループの「繋がる」というテーマも含めて、我々も今年何もできなかった分、このアルバムはかなり気合を入れてリリースしていますのでたくさん聞いて楽しんでいただければと思います。

――どうもありがとうございました

 

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作品内にたくさんの思いが込められた本アルバム、今回のインタビューを踏まえ是非堪能していただきたい。
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■対象期間:
2020/12/16 (水)  00:00~2020年1月12日(火)23:59まで。

■ダウンロード方法:
上記期間中、『Chain of Dream -リステップ Edition-』ハイレゾ音源をまとめてご購入・ダウンロードいただきますと、楽曲と合わせてボイスデータをダウンロードいただけます。

 

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プロフィール

椿本康雄 (つばきもと やすお)

ポニーキャニオンのアニメ・音楽プロデューサー。
担当作品は「Re:ステージ!」、「ボールルームへようこそ」、
「無限の住人-IMMORTAL-」、声優アーティスト「鬼頭明里」など。

伊藤翼(いとうつばさ)

1988年生まれ、愛知県出身。
高校の吹奏楽部にて金管楽器のテューバを始める。
2007年に東京音楽大学の器楽専攻テューバ科へ入学、演奏技術を学びオーケストラプレイヤーを目指す。
在学中に作編曲を独学で始め、様々な劇伴作家のアシスタントを経験する。
2012年にソーシャルゲームのBGM制作で作曲キャリアスタート。
年間100曲以上のBGM制作を2年続け、その傍らアニメの主題歌楽曲提供を開始。
現在は映像音楽の制作や、アーティストへの楽曲提供、音楽プロデュースをおこなう。
2018年自身のサウンドの基準を定めるためトラックダウンと歌の録音に特化したレコーディングスタジオ「Sync Studio」を設立。
オーケストラで鍛えた構築力と繊細さ、歌モノで鍛えたキャッチーなメロディと派手なサウンドの両立を得意とする。